銀花翠葉

アニメの感想ブログです(更新は終了しました)

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ゆきたま仁義・大正百年の野球娘・そのほか

「大正野球娘。」合同誌の企画は、今後どうなるでしょうか。
今度の冬コミ(C81)では出ないとしても、いつか第三弾が…、
出るといいですねー。
「たいやき」の同人誌が全然出なくなってしまいそうだ。
時間が経つほど、どんどん過去のアニメになってしまいますし。

私自身が同人誌というものに参加する機会をもてたのも、この合同誌企画のお蔭でしたが、これが人生で最後になってしまうのかな。残念。

それはそうと、夏に出た『櫻花球宴』の感想をいつか書くといいながらずっと書いていなかったので、とりあえずのものを以下に載せました。
書き足りない部分もありますが、一応ということで。

(※以下、作者名は敬称略。「さん」を付けると微妙に読みにくい場合があるため。御了承下さい。)



■『櫻花球宴 大正百年記念号』(「大正野球娘。」合同誌第二弾、C80発行)より。


・「アニメの最終話の後のたまちゃんのお話」(masara)

今回もmasaraさんのこの作品がいちばん気に入ったということで、主にとり上げます。
ゆきたまのお話ですが、このカップルの描き方としては、すごく健全?でまっすぐなものじゃないでしょうか…
(仁義なきゆきたまは真っ黒どSに染まりがちだという意味。「ニコニコダークネス」はそれはそれでよいですが…)。

「私とキャッチボールをしてくれる」友達、という関係性が実に爽やかで心を打たれます。
とても女の子らしくない爽やかさです。
なので、まことに貴重で麗しい友情です。

masaraさんのマンガは、すごく上手い絵というものではないでしょうが、個人的には好きです。
それはおそらく、自分にもしマンガが描けたならこういう風なものを描いてみたい、と思わせられるので、羨ましいぜ!ということなのだろうと思います。

細かいですが好きなコマを挙げていくと、最初の1、2頁目で嬉しそうに「男」の話をしている晶子・小梅の絵がかわいい(「男」の話をして喜んでいるのはいただけませんが)。
3頁目の真ん中のコマは、帰宅組五人が鳥居坂を下っていくお馴染みの絵柄ですが、小梅だけセーラー服姿に変わっているのがちょっと新鮮で、本当にアニメの続きを見ているような感じがしてきます。

気に入っているのは、「このままじゃ練習も身が入らないぞ…」というセリフがかぶさる三コマ(5頁目)。
ここは、何も絵のない白いコマにセリフだけ書いてあってもいいような所だと思いますが、ちゃんとアニメのどこかで見た絵をもってきて構成しているのが好きなのです。
いろんな背景だとか、用務員さんのベルや「おじゃんでございます」もそうで、「たいやき」のいろんなシーンに思い入れのある人が描いていることがよくわかります。

ゆきたまのキャッチボールはアニメ11話の試合前夜の場面に出てきて、多分あそこからイメージを膨らませて作品を構想したのだと思われますが、あのシーンもちゃんと引用して描かれていますね。10話冒頭で無理やり洋服を着せられているシーンも描いてあるし、キャラは鏡子・胡蝶以外の全員を律儀に描いています。

6頁目の頭のコマにお雪のアップをもってきたところ(印象的)や、それに続く、
「みんな外でたまちゃんを待ってるわよ」
「待たせたのはすまないがたまちゃんと呼ぶな」
というやりとりも何だかいい。
最後の頁のお雪もいいし、ラストは「たまちゃんと呼ぶな!!」で上手にしめています。

マンガでも小説でも、何気ない余情のあるようなものが個人的には好きです。余白に情感があるというか。あんまり空気系すぎても嫌ですが。


・「平成二十三年の野球娘。」(きゅーちょー)

小説ではこれがダントツに上手い作品ではないでしょうか。プロの作品かと思うほど。
小説の文章はこういう風に書くんだということを教えて貰いました。
設定上、「たいやき」キャラが現在(平成二十三年)まで存命しているというのが年代的に少し苦しいとは思いますが、なにせ大正百年だから仕方がない。花咲薫子さんだと思えばいいのだ。

特に筆力を感じたのは最初の頁の二段分くらいで、あそこは内容的にも技術的にも私にはとうてい書けないタイプの文章です。
全体に文章がすっきりしていて読みやすいのと、会話が自然に書けているのに驚きます。


・「東鳥居坂町8番地らいふ」(こーるまいん)

東邦星華のモデル、東洋英和女学院の年史資料をもとに当時の女学校ライフを考証した記事です。こういう文章は個人的に好物なので飛びついて読んでしまいました。
戦前の女学生についての本は現在いくつか入手し易いものが出ています…(『女學生手帖 大正・昭和乙女らいふ』なんかは「たいやき」ファンならみんな読んでいるかもしれません)。
が、それほど豊富に資料や書物が手に入るわけではなく、本を読んでみてもわからないことは沢山あります。なので歴史考証の仕事はたいへんありがたいものです。
「課外読み物」のデータが個人的には貴重。当時の女学生がどういう本(小説)をよく読んでいたのかはわりと不明なんですが、これを見ると「少女の友」が本当に読まれていたこと等がわかります。

ただ、こーるまいんさんの文章で個人的にいちばん感銘を受けたのは、「ロッカールーム」(参加者メッセージ)で書いている制服の叙述です(笑)。これなんかも自分には到底書けない。


・その他

(「その他」とひとまとめにするのはちょっと失礼かもしれないですが。)
上記のように私は絵が描けませんのでマンガについてのコメントは控えめにしたいと思っています。

「大正野球娘。逆襲の櫻花會」(ゆいれそ)で、最後に遅刻子と図書子が出てきてオチというのは意想外で感動。二人とも隠れ人気キャラ(?)。合唱部の三人にスポットを当てた「3名様ご来店」(源三)も、かわいいし面白かった。みゆ那さんのはもっとページ数が欲しい。『小梅浪漫』ほか個人誌を何冊か持ってますけど、もっと読みたいですよ。
イラスト(ぽかえり・まつうら・ポネクサン)はどれも好き。62頁の絵も、ある意味ですごく面白いと思った。
他にも、微妙に絵が上手だと思うマンガが何本か。


最後に。本全体についての感想。
第一弾はどちらかというと、参加者が「大正野球娘。」への思い入れをがむしゃらにぶちまけたパワーでもって成り立っている本だった気がする。
今度の『櫻花球宴』は、参加者がみんなネタをよく練って出してきたという印象が強い本です。
だから二次創作本としては前回よりも濃厚で面白くなっていると思ったし、巻頭のインタビュー記事は資料価値が高い。
全部まとめると、同人誌としてはなかなか見られないような、とても良い本なのではないでしょうか。

以上全部、まるで他人事のように書いてきましたが、いちおう自分も参加者であるわけで、あんまり傍観者的なことを言うのもよくないからこれくらいでやめます。
自分の作品についてはノーコメントで。もちろん自分自身ではけっこう愛着がありますが、はたしてひと様にとって面白いものかどうか、言わぬが花でしょうさ。
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